現在の最大のごみ問題

2013年08月21日 15:23

“ごみ”をテーマに始めた環ッハッハ。

「私たちの生活環境から少しでもごみを減らせたら、子供たちにいい未来を引き継げるね」という目的で、新設されたごみ焼却場でごみ問題を考えようと始めました。

しかし、日常生活から排出されるごみ問題と比べ物にならない、異次元のごみの問題があります。

一昨年の東日本大震災で事故を起こした福島第一原発では今、放射能に汚染された水が増え続け、それを保管するために作られたタンクから水が漏れ始めています。

それ以外にも、地下水が原子炉建屋に流入し、循環保管される水とは別に、地下を通って海に流出している恐れがあると言われています。

そのために地下に氷の遮水壁を設ける工事をしたわけですが、遮水壁から溢れて水が漏れ出す恐れが出てきたとのこと。

すべての対策が後手後手に回っているように思います。

その原因が少し見えてきたようです。

8月8日に、汚染水問題に関する緊急集会と政府交渉が開催されました。

福島・青森・関西からのみなさまも含む140名もの市民および4名の国会議員が参加されました。

①現在の深刻な状況の確認と国の責任体制を明確にすることが必要

市民からの質問では「汚染水問題は、だれが最終責任をもっているんですか? 資源エネルギー庁や経済産業大臣ですか、それとも原子力規制委員会ですか?」という問いに対して、政府側は答えられませんでした。すなわち、責任の所在を明らかになっていないということです。あまりにも無責任すぎます。

②モニタリングの報告を受けているはずの規制庁が、東電からのトリチウムやストロンチウムなど地下水モニタリングの空白期間(2012.122013.5を見逃していたが、 その理由もよくわからないという回答だったそうです。

規制庁の体制が「規制基準⇒再稼働審査」に偏重していたようですが、再稼働どころではなく、汚染水問題をしっかりとやるべき。

規制基準・適合性審査を担当している更田委員が、事故収束・汚染水問題も兼任しており、まわっていない。

適合性審査は80人体制、事故収束は40人。まさに逆でしょ?。

大飯原発の評価会合だけで、非公開の電力事業者ヒアリング含めて100回以上一方で汚染水問題に関しては、数え方にもよるが2~6回程度
「福島原発事故は収束していない」というのが政府見解ですよね?という市民の問いには政府は「はい」と回答。

一方で、再稼働審査は粛々と進めますと回答。

③田中俊一・原子力規制委員会の放出仕方がない発言「タンクにためられている汚染水については、基準値以下であれば海に流すことを容認すべき」。
一方で、8/7の原子力災害対策本部における政府見解は、「汚染水はもらさない」。

規制機関の長である、規制委員会委員長が、はじめから汚染水の海洋排出を是認するような発言をするのは問題です。

④海洋汚染は国際問題。海の憲法たる海洋保全条約、放射性廃棄物の海洋投棄を禁止しているロンドン条約の精神に違反しているわけですが、政府側は、ロンドン条約は、船などからの投棄を禁止しているから、条約違反ではないという認識。誰が聞いてもおかしいですね。

福島沖はロンドン条約の対象海域であり、放射性物質が流れ込んでいる現実を考える必要があります。

船からの投棄かどうかよりも、結果として海洋が汚染されてしまっていることを重視するべきで、必要とあれば、国際的な専門家などの支援を要請すべきです。

⑤海側の遮水壁を優先したことによる、地下水のあふれ出が生じてしまったが、国としてはなぜこの問題を見過ごしてしまったのでしょうか?

わかっていないことがあまりに多のです。

また、汚染源もあきらかになっていない上に、水の収支もわかっておらず、東電が小出しにしてきた情報が根拠も示されずに独り歩きしているのが現状です。
東電からの情報を繰り返すだけではだめなのです。

ゼネコンのプレゼンを秘密裏にやり、いつのまにか、凍土による遮水壁を作って大丈夫なのでしょうか?

第三者の専門家が検証できるように、情報の透明性を高めることが重要です。

⑥資源エネ庁は、汚染水対策委員会を開催しているが、過去3回はすべて非公開です。

公開してくれ、という市民の要請に対して、今後の議論のあり方を含めて検討するという回答が得られました。

未だに議論の公開について検討するというスタンス事態が、聞かれたらまずいような議論をしているのではと勘繰ってしまいます。

本来、放射性物質は、一切外部に漏らさないというのが、福島第一原発事故以前の常識です。

それが今では、少々漏れても当たり前のように考え、こういったニュースが流れても、さほど深刻には考えない人が増えているような気がします。当事者(規制委委員長)ですら薄めて流せばいいという認識です。

次世代にすごい大きな負担を強いることを大人は自覚しなくてはいけませんし、こんな状況下での再稼動なんて何を考えているのか理解に苦しみます。

感謝・感謝

 

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